市民ランナーご用達シューズがついにアプデ!
個人的にはズームフライ3あたりから、良い印象を持てずに購入は見送っていました。
歴代モデルは全て着用していますが、3以降は良い印象がありません。
今回のアップデートでどのように変わったか興味があり、ショップで試着した印象が良かったので知人から譲ってもらうことにしました。
そもそも、ズームフライとは
厚底ランニングシューズのパイオニアであるナイキのミドルグレードシューズです。
サブ3.5レベルのレース用または、ヴェイパーフライやアルファフライを履きこなすための練習用の位置付けされています。
前作あたりでは安定感を重視した仕様となっていたので、サブフォーあたりのランナーさんのレース用という印象でした。
フルレングスカーボンプレート(FLYPLATE)が内蔵されており、推進力があるのが特徴です。
また、上位モデルで採用されているミッドソール素材である「ZoomX」を使用しています。
Zoomfly6はどんなシューズになっているかワクワクしていました。
先行販売時にショップにて着用した印象が気に入り、自費購入しましたので詳しい感想を書いていきます。
・アッパーの素材はヴェイパーフライと同様のヴェイパーウィーブとメッシュ記事の組み合わせ
→ 吸いつくような着用感でフィット感と通気性はとても良い
・重量は前作と本家サイト値と比較して49g程度軽量化されている。
→ 実測してみたところマジックスピード4とほぼ同じ結果となりました。
・前作と比較して、踵が+4mm、前足部が+6mmと超厚底化へ進化
→ フォアフット着地で使ってほしい一足です。
・最上位ミッドソール素材ZoomXを増量
→ 初代ペガサスターボのような柔らかさで管理人好み
・定価18,700円は、旧モデルと据え置きで最近のナイキにしてはコスパが高い。
→ マジックスピード4と甲乙つけがたい程、おススメシューズへと昇格!
他社シューズ比較対象
ライバルとして挙げられるのは以下のシューズです。
比較対象①:PUMA ディヴィエイトニトロ3(エリートではない方)
比較対象②:ASICS マジックスピード4
比較対象③:ナイキズームフライ5(前作)
比較対象④:ADIDAS ボストン12
選定基準は価格帯が同一で、似たような性能のシューズで纏めてみました。
昨今のナイキは、バージョンアップで値上げが定石でしたが、最低限の値上げとしたことは好印象です。
比較表
ズームフライ6 | DIVIATE NITRO3 | MAGIC SPEED4 | ズームフライ5 | ADIZERO BOSTON12 | |
---|---|---|---|---|---|
定価 | 18,700円 | 19,800円 | 18,700円 | 18,700円 | 18,700円 |
重量 | 265g(28cm) 本家商品ページより 実測 222g(25.5cm) | 280g(27.0cm) | 245g(27.0cm) | 272g(27.0cm) | 270g(27.0cm) 実測220g(25.5cmワイド) |
厚さ | かかと部分42mm 前足部34mm | かかと部分40mm 前足部30mm | かかと部分42.5mm 前足部35.5mm | かかと部分38mm、前足部30mm | 踵部分39.5 mm 、 前足部:31 mm |
ドロップ | 8mm | 10mm | 7mm | 8mm | 8.5mm |
ミッドソール素材 | ZoomX+SR-02+Flyplate(カーボン) | NITRO ELITE / NITRO/PWRPLATE(カーボン) | FF BLAST PLUS FF TURBO カーボンプレート | ZoomX /EVA(ファイロン) /カーボンプレート | LIGHTSTRIKE PRO / ENERGYROD(樹脂製) |
比較結果①:重量からズームフライ6を評価
重量面では、25.5cmで実測222gでした。
旧モデルと比較して厚底化したのに大幅に軽くなりました!
実際に手に取ってみても、ズームフライ6は随分と軽くなったと思わせるくらいでした。
他社シューズと比較した際には、マジックスピード4が25.5cmのワイドで同じ222g最軽量となりましたので、ワイドではない方だと若干軽量と思われます。
ほぼ変わらないですし、実物に足入れしてみるとズームフライ6の方が軽いかなと思える印象です。
正直ここまで軽量化されているとは思っていなかったので驚きでした。
比較結果②:厚さからズームフライ6を比較
マジックスピード4もそうですが、40mm以上の超厚底シューズが増えてきました。
ズームフライ6をマラソン大会で使えないのでは?!と思うランナーさんはいるとは思いますが、厚さで制限されているのはトップエリートランナーのみで一般的な市民ランナーは適用されません!
マジックスピード4でも一般市民ランナーであれば、マラソン大会で使えるというのが結論となります。
エリートランナーですら、マジックスピード4やズームフライ6で2時間20分以内で走る大会で使用するとは思えませんし…
そのような背景があって40mm以上の厚底でも市民ランナー向けであれば販売しても良いだろうというメーカー側の判断で開発されているものと思われます。
ズームフライ6は踵部42mmなのですが、着用してみて感じたのは初代からの過去作と比べて、大幅にミッドソールが柔らかくなりました。
初代ヴェイパーフライや初代ペガサスターボに近い感触になり、思わずニヤリとしちゃいました。
その代わりに前作と比較してもアウトソールがスリムになったこともあり、踵着地やフラット着地での安定性は低くなりました。
それらをトレードオフしても、管理人好みです。
ズームフライ6のサイズ感について
26cmを着用してみましたが、つま先あたりが余ってしまい大きかったです。
25.5cmにしてみましたが、ジャストフィットでした。
この2年でナイキのシューズの作りはやや大きめになっていると感じています。
初代ペガサスターボやヴェイパーフライネクスト%2あたりまでは26.0cmがジャストフィットでしたが、最近のナイキのシューズは25.5cmの方がしっくりきます。
参考に私が着用しているランニングシューズのサイズを書いておきます。
ズームフライ6のミッドソールについて
構成はZoomX /SR-02 /FlyPlate(フルレングスカーボン)です。
・ZoomX
ナイキのランニングシューズで最高峰のミッドソール素材を上層部に採用しています。
衝撃吸収性と反発性に優れております。
昨今のZoomXは管理人の感覚ですが、衝撃吸収性よりも反発性を高めた印象で過去モデルと比較すると硬くなっている傾向です。
ズームフライ6では、ZoomXの割合を増やしているという事なのですが、味付けが柔らかめに変更されました。
反発性はハイエンドモデルと比較するとやや劣る印象です。
しかし、過剰な反発より、しっかりと衝撃を吸収してから、反発する方が市民ランナーである我々には使いやすいかなと思いました。
・SR-02
ZoomXは高価な素材なので、一部にローコストの素材としてSR-02が下層部に使われています。
旧モデルでも採用されており、衝撃吸収性と安定性が高めのミッドソール素材です。
ZoomXの割合が高くなり、柔らかめになりましたが昔のヴェイパーフライのような過剰に柔らかいわけではありません。
SR-02のお陰で安定性がカバーされております。
・FlyPlate(フルレングスカーボン)
ナイキのハイエンドモデルにはカーボンプレートが採用されています。
ズームフライ系のカーボンプレートはヴェイパーフライやアルファフライと比較すると推進力がマイルドです。
特にズームフライ6で採用されているFlyPlateは、他社カーボンシューズと比較して柔らかめという感じでした。
他社製品との推進力比較だと以下の感じです。
ディヴィエイトニトロ>>マジックスピード4>>>ズームフライ6=ズームフライ5>ボストン12
推進力をマイルドにしつつ、衝撃吸収性の向上を図った設計となっていると感じています。
柔らかい履き心地になったので、ピッチ系ランナーでも扱いやすさが大幅に向上した印象です。
①衝撃吸収性
9点
昨今のナイキ製ランニングシューズの中ではかなり柔らかめに感じます。
アルファフライ3にも匹敵する柔らかさです。
かといって、SR-02が下層部にあるので、底付きするような柔らかさという訳ではありません。
管理人的にはとても好みの柔らかさになっています。
踵着地やフラット着地でも試してみましたが、あまり印象は良くありませんでした。
踵着地やフラット着地だと他社ならS4+ YOGIRIやボストン12あたりの方が衝撃吸収性を感じます。
ペガサスプラスと比較してもズームフライ6の方が初代ペガサスターボに近い履き心地です。
ペガサスプラスと同価格帯であれば、ズームフライ6の方が買いです。
衝撃吸収性比較
ズームフライ6>>ディヴィエイトニトロ>マジックスピード4>ズームフライ5>ボストン12
個人的な好みによりますが、管理人は柔らかめのシューズを好む傾向にあり、実際に故障回避にも役立っています。
②安定性
8点
前作と比較しても安定性は低下しました。
軽量化に伴いアウトソールの幅が狭くなった点と、ミッドソール素材が柔らかめになったことによる点によるものです。
この辺は相反関係にあるので仕方ないです。
比較してみると最低評価ですが、管理人的にはむしろ歓迎です。
足首周りが弱いランナーさんだとぐらつきがあるかもしれません。
安定性比較
マジックスピード4=ディヴィエイトニトロ>ボストン12>ズームフライ5>ズームフライ6
③反発性・推進力
8点
他社シューズと比較して反発力と推進力は強いとは言えません。
理由は、FlyPlateが他社カーボン内蔵シューズと比較すると柔らかめだからです。
ミッドソール素材ところで比較したものをもう一度引用します。
ディヴィエイトニトロ>>マジックスピード4>>ズームフライ5=ズームフライ6>ボストン12
しかし、軽量になったお陰で足運びがしやすいシューズに進化しました。
ストライド系ランナーに好かれる傾向にあったズームフライですが、今作ではピッチ系ランナーでも扱いやすいシューズになっているので、むしろ市民ランナーである我々からすればこの程度の反発性が一番扱いやすいとも思えます。
④耐久性・寿命
7点(暫定)
他のナイキ製シューズの耐久性と比較しています。
今回のZoomXは、性能劣化しやすい印象が否めません。
ヴェイパーフライやアルファフライでも同じことが言えます。
耐久性を上げると硬めの味付けとなり、性能に影響が出ます。
今回のバージョンアップでは、性能に重視した設計になっているものと感じます。
⑤グリップ
9点
ナイキのシューズはグリップは結構良いです。
過去のシューズでも滑るような感覚は、アウトソールが削れて溝が薄くなった場合以外に感じることはありません。
他社製品と比較しても良好です。
総合点41.0点/50点満点
実物を着用してみて、久々にナイキのシューズでお気に入りといえるシューズでした。
同価格帯の中では、マジックスピード4とズームフライ6を所有してみて、同価格帯のシューズでありながら特徴が一部異なることが分かりました。
・反発力はマジックスピード4の方がやや優れている。
→ 前足部に採用されているFF TURBOはZoomXよりやや優れている。
・推進力はマジックスピード4の方がやや優れている
→ マジックスピード4のカーボンプレートの方が硬めのため推進力の違いをやや感じる
・安定性はマジックスピード4の方がやや優れている
→ 硬めの感触であるので、やや安定性に優れている。
・衝撃吸収性はズームフライ6の方が非常に優れている
→ 昔のヴェイパーフライに近いふんわり感触、SR-02の安定性もあるのでこの点はズームフライ6強み
・履き心地、通気性はズームフライ6の方が非常に優れている
ピッチ系、体重が軽いランナー:ズームフライ6の方がおススメ
ストライド系、体重が重いランナー:マジックスピード4の方がおススメ
ズームフライ6の特徴から、以下のようにまとめてみましたので、購入の参考にしてください。
・フルマラソンでサブフォー、サブ3.5以上を出したい!
・ピッチ系ランナーに特におススメ!
・フォアフット推奨!
・反発性と推進力は控えめなので、はじめてのカーボンプレート内蔵シューズとしても推奨します。
・柔らかめの感触が好き!
・軽めのシューズが好き!
・安定性や耐久性はそこまで求めない
・ナイキでは珍しくコスパが優秀
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ズームフライ6が2024年10月25日より一部ショップにて先行販売となりました。
・前作と比較して265g(28.0cm)と軽量化が実現。
・踵の厚さ42mm 前足部 34mm 前作と比較して厚底となっている。
・ミッドソール素材はZoomXを増量しているため、反発性が向上されていると思われる。
・定価18,700円は、マジックスピード4とガチンコ勝負な価格!
ステップスポーツさんで、ズームフライ6を詳しく解説されております。
個人的にはナイキ製品では久々に買い推奨といえるシューズです。
性能面で見れば、マジックスピード4の方が優秀ですが、管理人は硬いミッドソール素材は好きになれないので柔らか感触が好きなランナーさんであればズームフライ6の方がおススメです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。