ランニングシューズの技術革新は日進月歩
元ネタはAllAboutさんに掲載されていた記事です。
第101回箱根駅伝のシューズシェア第一位をADIDASが奪還したことは以前の記事に書きました。
過去には薄底ではアシックスやミズノ着用者が多かったのですが、ナイキの厚底シューズ(ヴェイパーフライ)が登場してからは長らく王者として君臨していました。
技術革新は日進月歩で進んでおり、アディオスプロ4の特許に関する記事を読んで腹落ちする部分が多かったので今回は記事にしてみることにしました。
アディオスプロのENERGYRODS 2.0に関する特許技術について
出願番号「2023-110277」に記載されている特徴を要約してみると…
①ENERGYRODS 2.0は過去モデルと同様に足の指の本数と同様に5本骨形状のカーボンバーがアウトソールに近い位置に内蔵されている。
→ シューズによって配置場所が異なるので一概ではない。
②体重がENERGYRODS 2.0に乗せた際にその力で屈曲する
→ アディオスプロ4に採用されているENERGYRODS 2.0は硬め
③ENERGYRODS 2.0の親指部分と中指部分は、剛性を高めることで踏み込んだときに力を溜め込めるようになっている。
→ 体重を乗せる時は親指あたりを意識すると速く楽に走れる。
④ソールのかかと部分に別の負荷分散材(カーボンファイバー)が組み込まれている。
→他社の場合だと一体型のプレートだが、アディダスの場合は分離型
他社は一体型のカーボンプレートを使用しているケースが大半です。
アディダスは、初期とアディオスプロ2では前足部のみにENERGYRODSを採用しておりました。
アディオスプロ3で分離型のフルレングスが採用され、アディオスプロ4も同様に分離型フルレングスとなったENERGYRODS 2.0を採用していることが分かります。
ナイキのヴェイパーフライの特許技術について
特許番号6786595号を参照しながら、構造を深堀していきます。
①ミッドソール(ZOOM X)が、上部と下部で分離されており、カーボンプレートを挟み込む構造になっている
→ アディダス以外のメーカは、ほぼ同じようにカーボンプレートを挟み込んだ構造となっています。
②かかと側に、小型のエア(空気の入ったクッション)を組み込んでいる
→ 踵にもエアが入っていることは管理人も知りませんでした。
③ソール全体の形状がロッカー(前足部にかけて大きく湾曲した)構造となっている。
→ 前足部に体重を乗せやすい構造
薄底しか知らなかった頃に初代ヴェイパーフライを着用した時のことを思い出しました。
・重心が勝手に前傾するので足を前に進めやすい
・転がるように靴が進んでいく
・厚底なのに軽い!
・跳ねるような感覚
過去に着用してきたシューズとはまるで別物であると感じました。
管理人は、ランニングフォームがフォアフットへの矯正後でしたので特にヴェイパーフライの跳ねるように進む感覚に衝撃と嬉しさを感じました。
価格は高かったのですが、必死に在庫を探して購入したことを今でも覚えています。
この技術革新から、マラソン世界記録の大幅な更新と箱根駅伝でも区間記録が毎年のように更新されるようになりました。
ADIDASの厚底初期はこれではない感が強かった…
ADIOSPROは初期からずっと所有してきました。
初代:硬い事と寿命が短かったので大きな印象は無し
アディオスプロ2:初代より大幅に改善、ミッドソールはバウンドしやすくなりENERGYRODSの推進力をさらに感じるようになったので、今でも練習用として使っている。
アディオスプロ3:先々代2よりロッカー構造がきつくなり、前足部での着地時に硬さを感じるようになった。幅広となったがそのせいで、指周りの厚みが薄くなってしまい硬さを感じる原因となった。
アディオスプロ4 :先代アディオスプロ3の問題点であった着地時の硬さは大きく改善!
柔らかい足あたりに、ENERGYRODS2.0は相変わらず硬めであるものの安定性と推進力の両立がされています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は「特許から見るアディオスプロ4の新技術とヴェイパーフライの革新性を知る」というテーマで記事にしてみました。
実は管理人はとある特許事務所のバックオフィスで勤務していました。
その頃は特許や知財に関する知識はありませんでしたが、この記事を読んでみてあの頃にもう少し関心を持っておけばよかったと反省しています。
厚底シューズ創世記のヴェイパーフライの特許を見ても、技術革新をつくづく感じました。
そして、日進月歩で技術革新がされている業界であるという事も知りました。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。